RRJ農業体験記 ~秋のお米の収穫体験 in 福島県~

すっかり秋らしい空気になってきましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?
秋といえば食欲の秋。そして、なんといっても「新米」がおいしい季節ですよね。

弊社には、リモートワークをしながら農業をしているチーフデザイナーの佐藤がおります。
その活動は過去のブログで紹介してきましたが、9月に、佐藤とそのご家族ご協力のもと、社員向けにお米の収穫体験が開催されました!

場所は、農業を営んでいる福島県の県中地域です。RRJグループ3社から総勢11名のメンバーが参加し、普段のデスクワークから離れ、自然の中で汗を流す充実した2日間を過ごしました。その様子を、参加者の声とともにお届けします。

開催のきっかけと目的

イベントの主催者である佐藤に、この収穫体験を企画したきっかけと目的について聞きました。

昨年末から米の値段高騰、備蓄米の放出などのニュースが連日報道されておりましたが、実際に私たち農家がどういった工程を経て食卓にお米が提供されているかを知っている方は少ないと感じておりました。

 

これまでに、「福島県から農業を兼業しながらリモートワーク」をテーマにした記事をいくつか公開してきましたが、農業の現場をより深く知ってもらうには、実際に体験してもらうのが一番だと考えました。

 

そこで今回、RRJの皆さんに稲刈りや関連施設の見学をしていただき、お米が店頭に並ぶまでに想像以上に多くの工程があることを感じてもらえるよう、収穫体験を企画しました。この企画を弊社代表・橋満に提案したところ、「ぜひやってみよう」と前向きな返事をもらい、今回の開催が実現する運びとなりました。

 

この収穫体験を通じて、RRJグループ3社のメンバー間でチームワークを深めることも、もうひとつの大きな目的としています。

「東北でリモートワークしてみた!」についての過去の記事はこちら


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なぜ、この体験に参加したのか?

リモートワークが中心のRRJグループには、遠方に住むメンバーも複数在籍しています。今回のイベントにも様々な地域からメンバーが参加しました。
普段は画面越しでつながっているメンバーたちが、久しぶりに顔を合わせ、いつもの仕事とはまったく違う、自然の中での時間を一緒に過ごしました。
そんな「お米の収穫体験」に、なぜ参加しようと思ったのか?それぞれの想いを聞いてみました。

佐藤さんが日々されている農作業について言葉ではわかっているものの具体的なイメージをすることができていなかったため、ぜひ知りたいと思いました。
お米が好きなので、そのありがたみを知る、またとない機会だと思い参加させていただきました。
(T.Oさん)
社内での雑談から興味を持ちました。
作付け面積と経費がかなりの規模だと聞いていたので、本格的な稲作農業の現場を知る貴重な機会だと思い参加しました。
(M.Fさん)
学校の教科書や、最近ではTVやSNSで「お米作りの大変さ」や「農業を続けられず廃業される方が多い」という話を耳にしていました。
知識としてはその大切さが分かっていても、日々の暮らしと実感が結びついていませんでした。この体験を通して農業をより身近に、自分ごととして考えるきっかけにしたかったです。
(N.Nさん)
普段はリモートワークのため会社の皆さんと直接お会いする機会が少なく、業務以外の場で実際にお会いしてみたいと思ったためです。
(M.Nさん)

収穫体験の流れ

前日

午前の業務を終えたあと、メンバーたちは東京駅に集合し、新幹線で福島県・郡山へ向かいました。
その日の夜には懇親会を実施。馬刺しをはじめとした福島の郷土料理が振る舞われ、普段はオンライン上でのやり取りが中心となっているメンバーが、直接顔を合わせて交流を深める貴重な時間となりました。

当日

9:00-
着替え、準備
ホテルをチェックアウトし、レンタカーで移動。
現地に到着後、参加者は作業着に着替え、帽子、タオル、軍手、長靴、そして草刈り鎌を装備!
いざ収穫体験へ!

 

田んぼに向かう様子
田んぼに向かう様子

10:00-
収穫体験/コンバイン刈取り見学
まず初めに、佐藤より田んぼでの注意点や怪我をしやすい状況などの説明を受けたり、田んぼの四隅を手作業で刈り取る指導をしてもらいました。
四隅を刈取る理由としては、大型のコンバインが旋回しやすいように手で稲を刈取るそうです!

 

手刈り作業のレクチャー
手刈り作業の様子

手刈り作業の様子
手刈り作業の様子
手刈り作業の様子

鎌を使って一株ずつ稲を刈る体験がとても楽しく、どうすれば効率よく刈れるか試行錯誤するのも面白かったです。
普段はリモートワークなので、社内メンバーと実際に身体を動かして一緒に作業できたことも新鮮でした。
二つ目の田んぼでは、日陰で土が湿っている上、倒れている稲を起こして一株ずつ探して刈る必要がありました。
一つ目の田んぼに比べて手間がかかり、条件によって作業の大変さが大きく変わることを実感しました。
(N.Nさん)
稲刈りは想像以上に体力を奪われる作業でした。
ほんの一部の作業でしたが、照りつける日光に照らされる中、低い姿勢での作業は思っていたよりもハードでした。
(T.Oさん)
雨風で倒れてしまっている箇所は稲の株の根本を探すのが大変でした。
刈った後の土の状態を初めて見たのですが、ひび割れていて(乾燥しているわけではなく)そこからしっかり稲穂がのびている光景に感動しました。
(A.Kさん)

 

その後は、コンバインによる稲の収穫や、収穫したお米をトラクターが運ぶ様子を間近で見学。コンバインの大きさと音の迫力に圧倒されました。

 

コンバインによる稲の収穫

 

コンバインの運転席に乗せてもらう体験コンバインの運転席に乗せてもらう体験

運転はしなかったのですが、コンバインのキャビンに乗せていただいて、思いの外高く、そこから見える景色も圧巻でした。操作される方の技術がすごいことが想像できました。
(A.Kさん)

 

実際に運転する様子コンバインを運転する様子

コンバインの運転をさせていただけたのがとても楽しかったです。
(全くうまくできませんでしたが…)
(T.Kさん)
普段の車とは異なり、音や振動があり、とても貴重で楽しい体験でした。
(M.Nさん)

 

刈り取った稲を脱穀して運搬用のトラックに乗せている様子刈り取った稲を脱穀して運搬用のトラックに乗せている様子

12:00-
昼食
昼食
13:00-15:00
ドローンデモンストレーション/施設見学

 

ドローンを使ったデモンストレーションを見学ドローンを使ったデモンストレーションを見学
ドローンが飛んでいる様子

操作の難しさに加え、バッテリーが10分ほどしか持たないため管理が大変であること、強靭で鋭利なプロペラがついており一歩間違えば大きな事故につながることから、『便利な機械=楽』ではないことに気づかされました。
(N.Nさん)
ドローンを飛ばす際の音や、稲刈り後の野焼きによる煙に対して、県外からの移住者から苦情が寄せられることがあるそうです。
そうした声が優先されてしまい、農家の方々が通常の作業をしづらくなっている現状があることを、今回初めて知りました。
(A.Kさん)
以前は、農家の方が薬剤を入れた機材を自ら背負って散布していたと伺い、実際にその道具も見せていただきました。
そうした背景を踏まえて、ドローンによる薬剤散布のデモンストレーションを見ると、それがいかに画期的であるのかを実感することができました。
(T.Kさん)

 

佐藤ライスセンターに移動し、施設の見学を行いました。
ここでは収穫したお米の乾燥・袋詰めを行い業者に出荷する作業をしているそうです。
普段目にすることのない、お米が製品として出荷されるまでの工程を学びました。

 

袋詰め作業の様子
袋詰め作業の様子
袋詰め作業の様子

 

収穫したお米(籾と玄米)
収穫したお米

お茶碗一杯分のお米は三束分にあたると教えていただき、思ったよりも少ない量で一杯になるのだと感じました。
それでも日頃の食事では、農家の方々が手間をかけて作業してくださっているおかげだと、改めてありがたみに気づかされました
(M.Nさん)
工場のような規模に圧倒され、農業を事業として運営する厳しさと、それに伴う責任や覚悟の重さを感じました。
(N.Nさん)
手作業もあれば、大きくて危険な機械を操作したりと、かなり複数の工程があり、体力や注意力も必要で誰でも簡単に始められるものではないことを痛感しました。
また、気候や気温に左右されたり、機械のメンテナンス費用など予想通りにいかないことが多いそうで、その大変さが人手不足につながってしまっているんだなと体験を通して実感しました。
(N.Tさん)
15:30-20:00
温泉でリフレッシュ、解散
収穫体験を終えたあとは車で移動し、日帰り温泉へ。もみ殻や埃まみれになった体をさっぱりと洗い流し、一日の疲れを癒しました。温泉でリフレッシュしたあとは郡山駅へ。名残惜しさを感じながらお別れをし、新幹線に乗り込みました。
その後、東京駅に到着し解散。こうして、2日間にわたる充実した農業体験は無事に終了しました。

農業体験に参加してみて

共同作業を通じて感じたこと

佐藤さんは午前中に農作業をされ、午後にRRJの作業をしているので、その体力にとても感銘を受け、私自身ももっと仕事を頑張らなければならないと感じました…!
(M.Nさん)
今回はほんの一部のお手伝いのみだったのに、自分は疲労困憊になってしまったので、朝、農作業してから業務についている佐藤さんがどれだけすごいのか、普段のやりとりだけでは理解できなかった大変さを知ることができました。
(H.Oさん)
普段、汗をかきながらみんな一緒に無心で仕事をする姿を見ることはないので、とても良い経験になりました。
(K.Sさん)
一緒に同じ作業をすることで、自然と連帯感ができてくることが良い発見となりました。また自分がその場で手伝えることなど考えて動く、ということが皆さん自然にできていたのが良かったと思います。
(T.Bさん)

お米作りに関して新しく気づいたこと

年間通じて大切に育ててこられたお米を有難くも、収穫のお手伝いをさせていただいたこと自体が、貴重な機会だと実感しました。
収穫は育ててこられた方々が一番大切にされてきたこと、一番楽しみにされていたことだと思います。この機会自体がとても尊いことだと思いました。
(T.Bさん)
少しの時間手刈りで作業をする分には耐えられましたが、何日長時間も続けて手刈りをするのは過酷だと感じました。
負担を少しでも軽減するために自動化や機械の導入は必須だと思いましたし、原油の高騰もありお米の価格が上がってしまうことで必要な分の値上げが正しくされて農家さんが割りを食うことがないようにあって欲しいと思いました。
(T.Oさん)
収穫を体験してみて、想像していた以上にさまざまな技術と工夫が必要だと感じました。
コンバインやフォークリフトの操作のように高度な技術が必要な面もあれば、時には力仕事もあり、道具を自作されることもあるなど、農業は幅広い技術の積み重ねで成り立っていることを知ることができました。
ご近所の農家さんの協力も欠かせず、普段から身体を動かしている農家さんの立ち姿や歩き方がしっかりしていて、日頃の体の使い方の違いを感じました。
(N.Nさん)
全体的に関節を痛める作業が多いので、お米を大量に生産するためには自動化が必要だと感じました。
一方で、自動化には高額な初期投資が求められることを聞き、さらにそこまでしても生産が安定する保証はなく、その難しさにも気づかされました。そうした中で、ドローンを積極導入された佐藤家の皆様の現状改善と未来への対策姿勢はすごいです。
(M.Fさん)

得たこと学んだこと

行きと帰りで田んぼの景色の見え方が変わり、 「この田んぼは稲刈りを終えたばかりなのだな」「こちらはこれから収穫を迎える田んぼなのだな」と感じました。そうした違いに気づけたことで、自分の視野が広がったように思いました。
(M.Nさん)
一束一束大切に育ててきたお米。農業体験をした人は、より食べ物に対する大切さを実感したのではないかと思います。
フードロスなど食べ物の社会問題はいろいろとありますが、改めてそういったことを考えるきっかけにもなりました。
(T.Bさん)
普段業務であまり関わることがないみなさんとも実際にお会いできて、自然の中で交流できたことで、距離がグッと近くなれたような気がして良かったです!
帰り際にTさんが「佐藤さんとお別れするのがとても寂しい」と話されていた気持ちもとても共感できました。
(A.Kさん)
自分の手でお米を収穫してみて、体験したのは全工程のほんの一部でしたが、お米ができるまでには本当にたくさんの手間と時間、そして愛情が込められていることを実感しました。また、農家の方々のご苦労や日々の大変さも改めて感じました。
これからはご飯をいただく時に、もっと感謝の気持ちを込めて味わいたいと思います。
(Y.Iさん)
今の時代はいろいろな機械を使って作業されているのだなということが一番の学びでした。
特にコンバインは刈り取りと同時に脱穀をして…のように色々な機能があることに驚きました。
他にも機械のお値段がとんでもないという話、行政関係の話、作業中の事故の話等々、色々なお話を聞かせていただき、様々な問題の中、美味しいお米を作ってくださっているんだとひたすら尊敬の気持ちになりました。
(T.Kさん)

まとめ

今回の収穫体験を通じて、参加メンバーがお米づくりの大変さや、農家の方々の努力を深く実感していたのが印象的でした。普段当たり前のように食べているお米も、たくさんの手間と愛情が込められていることに気づかされます。

また、共に汗を流し、協力して作業に取り組んだことで、普段リモートワークで接する機会の少ない社員同士の交流も深まりました。

こうした体験を通して、食べ物への感謝の気持ちや、大切にいただく心が育まれていくのは素敵なことですね。まさに、開催者の目的であった「食卓にお米が並ぶまでの工程を知ってほしい」という願いがしっかりと参加者の心に届いた、意義あるイベントとなりました。

この記事を読んでくださった皆様にも、お米づくりの裏側や農家の方々の想いに、少しでも思いを馳せていただけたなら嬉しく思います。

最後に、今回のイベントを企画・主催し、現地で丁寧にガイドしてくれた佐藤家の皆様、ありがとうございました!