福島県でリモートワークをしているチーフデザイナーの佐藤です!
私はデザイン業務と並行して稲作農業をしています。
前回のフォークリフトの免許も、米作りのサポートの一環として取得をいたしました。
米作りを支えたい! リモートワーク解禁で「フォークリフト免許」を取ってみた!!
今回は帰郷を決意した経緯と、米作りの環境についてご紹介したいと思います。
仕事と農業の両立。働き方の模索
帰郷前の私は横浜から新宿まで通勤し、GWやお盆の長期休みだけ米作りを手伝う生活をしておりました。
近年日本での離農率は非常に高く、若者の就農率は非常に低くなり農業就業者の高齢化が深刻です。
65歳以上の割合が6割、75歳以上の割合が3割を占めるのが現状で、地元でも80を過ぎた方の作業風景が多く見られます。
それらの事情から耕作放棄地が目立つようになり、幼い頃に見られていた水田風景が雑草だらけの荒れた土地になっていることもしばしば・・・。
私自身も2017年頃から両親の高齢化と共に家業の今後をどうするか?と考え始め、出来れば福島で米作りを支えたい!と思うようになっていきました。
しかし、その頃はリモートワークという働き方は考えておらず、農業メインに切り替えるなら仕事を辞めなければ・・・と、かなり悩んでおりました。
転機は2019年末頃。
弊社代表の橋満に相談した所、
「杉山さんも海外で働いているのだから、佐藤さんも福島から仕事すればええやん!」
というお言葉を頂きました。
オーストラリアから初投稿!
※杉山さんの記事はこちらから
その時「そうか、別に東京で働かなくても良いのか!」と心打たれ感動したことを今でも鮮明に覚えています。
その後、新型コロナウィルス防止対策による在宅勤務の移行を機に本格的な帰郷を決意し、2020年7月に福島に戻りました。
それから1年が経過し、秋の稲刈り・春の田植え・夏の草刈りと季節を通しての作業の補佐を行うことが出来ました。
米作りは結構大変!
さて「稲作」をするには、どんな機械や作業があると思いますか?
何となく「田植え」と「稲刈り」があるというイメージではないでしょうか?
実は「米」という漢字は「八十八」という文字から作られたといわれています・・・。
なんと!お米ができるまでには88回もの手間がかかるという意味があるんです!
現在は人や牛馬の力だけで作業する事は少なくなり、機械の進化と導入のおかげで工程を省く事が出来るようになりました。
とはいえ、使用する機械と工程はこんなにあるんです!
機械の種類
・・・などなど!
農家さんによって種類は変わってきますが、これだけの機械や自動車を使用します。
米作りの工程
3月~8月までの作業
種まきまでの準備
①床土作り
②田起こし
③畔塗り
④種もみ塩水と消毒
⑤種まき用の育苗箱の準備
⑥種籾の陰干し
種まき
⑦育苗箱へ種まき(※約2000箱)
⑧種まきした箱を育苗機へ(発芽を促す為に温かい機械へ)
⑨発芽したらビニールハウスへ移動させる
田植えまでの準備
⑩田んぼへの水の確保と水張
⑪代掻き(水を入れた田んぼをツメの付いたトラクターで耕す)
⑫ゴミ取り(代掻きして浮いた鏑や藁を取り除く)
田植え
⑬田植え
⑭苗箱の洗浄
稲の生育管理機関
⑮深水管理
⑯除草剤の散布(畦畔の草刈りの削減の為)
⑰溝切
⑱肥料(化学肥料)散布
稲刈りまでの準備
⑲草刈り(田んぼ・道路の周辺に生えている雑草を刈り取ります)
⑳放水(一定の期間を経て田んぼから水を抜きます)
㉑中干し(土にヒビが入るまで乾かして稲の成長を促します)
㉒落水(土を乾かすことにより、コンバインの走行性の安定など上げます)
9月中旬~10月下旬までの作業
稲刈りの開始
㉓隅刈り(コンバインの方向転換の為に田の端っこの稲を刈り取ります)
㉔稲刈り
㉕搬送(収穫したお米を乾燥機まで搬送します)
㉖乾燥(収穫したお米を乾燥させます)
㉗脱穀(収穫したお米を玄米の状態にします)
㉘出荷(農協などに出荷します)
この時点でその年の新米となり、食卓へ並びます!
11月~2月(閑散期)
㉙収穫した田んぼの藁の片付け
㉚田の土を反転(ツメの付いたトラクターで土を耕します)
㉛新聞貼り(ビニールハウスへ敷く用)
このように88回の作業は無くとも、これだけ多くの工程があるんです!
余談:東京ドームの広さだとどれくらいのお米がとれるの?
春作業時 | 14ヘクタール(東京ドーム:約3個分) |
秋作業時※委託業務含む | 28ヘクタール(東京ドーム:約6個分) |
なので、結構いっぱい収穫する事ができます。
ただし、全てのお米が人が食べる為のものにはなりません。
飼料用米といって、家畜のご飯になるものも含まれています。
また、その年の天候によって収穫量は左右され予想よりも少ないという事もしばしば・・・。
天気ばかりは操作出来ないので、毎年晴れの日が続く事を祈りながら作業しています。
働きやすい環境に感謝!
アールアールジェイでは、私の様に家の事情によって有給取得をしなければならない場合や、お子さんをお持ちで働いている方の時短勤務など、ライフプランにあった働き方をする事ができます!
悩みを相談できるスタッフも多く在籍しているので、この1年安心して家族と米作りのサポートをする事ができました。
今月末には遂に稲刈りが始まります。
これからも変わらずデザイン業務と合わせて福島の米作りを支えていきたいと思います!