農業プロジェクト「収穫」|春から秋へ、一年を通してお米づくりを体験

春の田植えから約5か月。
青々としていた田んぼは黄金色に染まり、いよいよ収穫の季節を迎えました。
RRJでは2026年度、「農業プロジェクト」を立ち上げ、兼業農家として働くメンバーの仕事を実際に体験しながら、農業や地域への理解を深める取り組みを続けています。

春には田植え、夏には草刈りや溝切りなどの水田管理を体験してきました。
そして10月2日・3日、いよいよ実りの秋。
今回は、春から成長を見守ってきたお米の「収穫」を体験しました!

▼前回の農業体験記はこちら


農業プロジェクト「水田管理」|兼業農家として働くメンバーを支える取り組み

春に植えた苗が、黄金色の稲穂に

5月の田植えでは、まだ小さかった苗。
夏には田んぼ一面を覆うほどの鮮やかな緑色へと成長し、秋になるとその景色は一変します。たくさんの籾(もみ)をつけた稲穂が頭を垂れ、田んぼ一面が黄金色に。
田植えをして、炎天下で草を刈り、田んぼの中を歩いて溝を切る。春から同じ田んぼを見てきただけに、目の前に広がる景色には感慨深いものがありました。

収穫は「タイミングとの勝負」

稲が実ったからといって、いつでも収穫できるわけではありません。
今年は天候が安定しない日も多く、天気を見ながら収穫のタイミングを見極める必要がありました。もちろん、育てているお米の品種によっても収穫時期は異なるそうです。
雨が降れば田んぼの状態も変わります。大型のコンバインを入れるため、稲だけでなく地面の状態やその先の天気まで考えなければなりません。

※写真は長雨が降り続いて浸水した田んぼと、倒れた稲から発芽した芽。こうなってしまうと、お米は収穫しても出荷する事ができません。

そのため、「この日に収穫しよう」と何週間も前から決めて、予定通りに進められるとは限りません。天気予報と田んぼの状態を見ながら「いつ刈るのか」を判断することも、農業の仕事の一つです。
私たちにとっては10月2日・3日の農業PJですが、農家にとって収穫はその2日間だけの仕事ではありません。春から育ててきた稲を、天候と相談しながら最適なタイミングで刈り取る。最後まで自然を相手にする仕事です。

大型コンバインを迎えるための「すま刈り」

収穫と聞くと、コンバインが田んぼの中を走り、一気に稲を刈り取っていく光景を想像するかもしれません。しかし、大型コンバインがいきなり田んぼに入り、すべての稲を刈れるわけではありません。そこで最初に行ったのが「すま刈り」です。
田んぼの隅や周囲の稲をあらかじめ刈り、大型コンバインが田んぼに入り、作業や旋回をするためのスペースをつくります。

実際にやってみると、大きな農業機械を動かすためにも、その前段階には人の手による準備が必要なことが分かります。
春の田植えでも感じましたが、農業機械が効率よく動くためには、事前の「段取り」が欠かせません。

また、コンバインが公道を走行する際、稲の刈り取りをしたキャタピラーから泥が落ちる事が有ります。
皆が使う道路を汚した後はきちんと掃除をするなど、細かい作業も発生します。

お米の品質を守るため、田んぼを歩く

もう一つ、収穫前に行ったのが、稲に混ざって生えている雑草や雑穀を見つけて、より分ける作業です。
収穫時に混ざってしまうと、お米の品質や等級に影響する可能性があるため、コンバインで刈り取る前に、人の目で確認しながら取り除いていきます。
夏の農業プロジェクトでも、稲によく似た雑草を見分けて取り除きましたが、収穫前にも同じように田んぼの中を確認します。機械化が進んだ農業でも、こうした品質を守る作業には、人の目と経験が欠かせません。

大型コンバインにも乗ってみました!

 

準備が整ったところで、いよいよ本格的な収穫です。
今回は大型コンバインにも乗り、実際の収穫作業を少し体験させてもらいました。

コンバインは、稲を刈り取りながら、籾を取り出す脱穀までを一気に行う農業機械です。
目の前に並んでいた稲が次々と機械に取り込まれ、刈り取られていきます。
春に植えた苗が大きく成長し、いよいよ収穫されていく。田植えから参加してきただけに、コンバインから見る田んぼの景色は特別でした。

車の運転とは違う操作に手間取ることも多かったです。左のレバーが車でいうアクセル。前進と後退を手で操作する事になります。

収穫したら、すぐ「白米」になるわけではありません

コンバインで収穫された籾。
これで私たちが普段食べているお米の完成!ではありません。
収穫された籾は、いくつかの工程を経て白米になります。

稲がご飯として食卓に並ぶまで

稲刈り・脱穀 → 乾燥 → 籾摺り(もみすり) → 玄米 → 精米 → 白米

まず、収穫した籾を適切な水分量になるまで乾燥させます。
次に「籾摺り」を行い、籾の外側を覆っている籾殻を取り除くと「玄米」になります。そして玄米の表面にあるぬか層などを削り取るのが「精米」です。

精米では、どの程度ぬか層を取り除くかによって仕上がりも変わります。今回見せてもらった精米機にも、仕上がりを選択するためのボタンが並んでいました。田んぼで稲を刈ったら終わりではなく、普段食べている状態になるまでには、収穫後にもこうした工程があります。

一年を通して見えてきた「お米づくり」

今年の農業PJでは、春から秋まで、お米づくりのさまざまな工程を体験してきました。
春。
田んぼを整え、水を張り、田植えを行います。その周囲では苗や肥料の補充など、田植えを止めないための作業も同時に進んでいました。
夏。
稲とともに伸びる雑草を刈り、稲に混ざった雑草を取り除き、水を管理するために溝を切ります。
秋。
天候と田んぼの状態を見ながら収穫時期を判断し、すま刈りや雑草・雑穀の除去を行った後、大型コンバインで収穫します。その後、乾燥、籾摺り、精米を経て、ようやく食べられるお米になります。
「米をつくる」という言葉だけでは見えなかった仕事が、春から秋まで参加することで少しずつ分かってきました。

農業と、私たちの仕事

農業を体験していると、普段RRJが取り組んでいるシステム開発やエンターテインメントの仕事と、意外に共通する部分があります。
たとえば、今回行った「すま刈り」。

大型コンバインを動かすためには、あらかじめ作業できる環境を整えておかなければなりません。

システム開発やコンテンツ制作でも、実際の制作工程だけでなく、その前の設計や準備、誰がどの順番で動くのかという段取りが、その後の進行を大きく左右します。収穫前に雑草や雑穀を取り除く作業も、品質管理という点では、システム開発におけるテストや、映像・コンテンツ制作における最終チェックに通じるところがあります。

そして、計画通りに進むとは限らないことも共通しています。
今年の収穫では、天候や田んぼの状態を見ながら収穫時期を判断しました。システム開発やエンターテインメントの仕事でも、技術的な問題やユーザーの反応などによって、当初の計画を変更することがあります。

決められた工程をこなすだけではなく、状況を見て判断し、品質を保ちながら完成まで持っていく。扱っているものはまったく違いますが、普段とは異なる現場に立つことで、自分たちの仕事にも通じる部分が見えてきました。

「知っている」と「体験した」は、やっぱり違う

RRJグループでは、「共存共栄」という理念のもと、兼業農家として働くメンバーが、それぞれの地域や農業を大切にしながら働き続けられる環境づくりを目指しています。

農業PJを始めた目的の一つも、普段一緒に働いているメンバーが、会社を離れた場所でどのような仕事をしているのかを実際に知ることでした。

今は、検索すればお米のつくり方を知ることができます。AIに聞けば、田植えから収穫、精米までの工程もすぐに分かります。

それでも、泥の感触や夏の田んぼの暑さ、天気を気にしながら迎える収穫の日、自分たちが関わった田んぼが黄金色に変わっていく景色は、実際にその場所に立って初めて分かるものです。デジタルを仕事にしている会社だからこそ、身体を動かして「知る」ことも大切にしたい。それも、この農業PJを続けている理由の一つです。

「春から秋へ。そして、食卓へ。

春に植えた小さな苗から始まった、2026年度の農業PJ。
田植え、夏の水田管理、そして秋の収穫まで、季節をまたいで農業に関わってきました。普段何気なく食べている一杯のご飯の向こうには、季節ごとの作業があり、天候を見ながらの判断があり、それを支える人たちがいます。農業を「知る」だけでなく、実際に体験することで見えてくるものがありました。
これからもRRJでは、兼業農家として働くメンバーを応援するとともに、農業や地域について学び、体験する取り組みを続けていきます。
春から見守ってきたお米。

ようやく、いただきます!