制作チームに聞きました!kikubonのおすすめ14作品

みなさま、こんにちは!
前回の記事「オーディオブックができるまで」では、RRJが運営するオーディオブックサービス「kikubon(キクボン)」のオーディオブック制作の過程をご紹介しました。
オーディオブックを身近に感じたり、興味をお持ちいただけた方もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、kikubon制作チームのメンバーにおすすめの作品を教えてもらいました!
作品ページやSNSで発信する「公式」の情報とは異なる視点で、作品を聴き込んだメンバーによるおすすめポイントもご紹介しています。

SF・ファンタジー

風とタンポポ ~惑星環物語~

風とタンポポ ~惑星環物語~

どんな作品?

太陽系内の宇宙空間に作られたコロニーを舞台に、「ルピアン」と呼ばれる謎の生命体と戦う女子高生の活躍を描くSF作品。

おすすめポイント

森岡浩之先生ならではの詳細なSF設定と、奥行きのある物語が面白く、また朗読では息をつかせぬバトルシーンは必聴です。余韻が残るラストシーンまでぜひお楽しみください!

水使いの森

水使いの森

どんな作品?

この世の全ての力を統べる「水使い」の力を持つミイア王女と、水の覇権をめぐる争いを描いた異世界ファンタジー。
第4回創元ファンタジイ新人賞優秀賞受賞作。

おすすめポイント

ファンタジー作品なのであまり馴染みのない『力』や物などが出てきますが、「これはこんな色や形をしているのかな?」と想像を掻き立てる描写が多く、映像がなくても聴いているだけで色鮮やかな世界が広がっていきます。
話が進むと明かされていく登場人物たちの様々な思いもとても感動的です。

聖刻1092 聖都シリーズ

聖刻1092 聖都シリーズ

どんな作品?

「蒼狼鬼」ガシュガルに拉致された幼なじみ救出の為に旅立ったフェンが繰り広げる、壮大な冒険活劇。1988年の刊行以来愛され続ける本格ロボットファンタジー。
kikubonでは、聖都編 壱、弐、参まで公開中。

おすすめポイント

運命に翻弄されつつも、過酷な戦いに身を投じていく主人公達に胸が熱くなります。
老若男女問わずかなり多くの登場人物が出てきますが、朗読者である浅井晴美さんの演じ分けも素晴らしいです。

銀河英雄伝説外伝
ユリアンのイゼルローン日記 オリジナルキャスト版

銀河英雄伝説外伝 ユリアンのイゼルローン日記 オリジナルキャスト版

どんな作品?

ヤン・ウェンリーと共にイゼルローン要塞へ越した少年ユリアンが、同盟軍の面々と過ごす日々を日記体形式で綴った、銀河英雄伝説外伝第二弾。

おすすめポイント

銀河英雄伝説といえば、大規模な艦隊戦、ラインハルトやヤンが繰り広げる頭脳戦、権力者たちの陰謀・・・などが思い浮かびますが、「ユリアンのイゼルローン日記」は平和な日常生活の描写が多いので、心穏やかに聴くことができます。また、「ユリアンのイゼルローン日記」は、下山吉光さん朗読版・佐々木望さん朗読版・オリジナルキャスト版の3パターンがあり、中でも個人的に好きなのはこのオリジナルキャスト版です。石黒監督版アニメの声優の方が出演されているので、アニメの延長線のような感覚で楽しめます。

推理・ミステリー

サーチライトと誘蛾灯

サーチライトと誘蛾灯

どんな作品?

昆虫好きのとぼけた青年・魞沢(えりさわ)が名推理で真相を解き明かしていく様子を軽快な筆致で描くミステリー連作集。
第10回ミステリーズ!新人賞を受賞した表題作を含む全5編を収録。

おすすめポイント

登場人物の「魞沢(えりさわ)」の特徴的なキャラクターが、浅井さんの朗読でさらにパワーアップしています。作中の人物達の掛け合いを聴いていると、思わずクスッと笑える部分も多い作品でした。推理も楽しみながら笑いも有り、話のテンポも良いので聴き始めると止まらない作品です!

プリズム

プリズム

どんな作品?

小学校の女性教師の変死事件の真相をめぐり、万華鏡の如く変化する事件の様相、幾重にも繰り返される推理の構築と崩壊。
著者が本格ミステリの極限に挑んで話題を呼んだ衝撃の問題作。

おすすめポイント

まさに現在版「藪の中」というべき多重解決ミステリです。
登場人物4人の視点で物語が進行しますが、ナレーションを含めた人物全てを浅井晴美さんが朗読しています。その演じ分けをぜひ楽しんでください。

よろず占い処 陰陽屋シリーズ

よろず占い処 陰陽屋シリーズ

どんな作品?

あやしい占いの店「陰陽屋」店主のにせ陰陽師と、アルバイトでやとわれた拾われ妖狐の瞬太。妙なとりあわせのコンビがお客さまのお悩み解決に東奔西走するほのぼのミステリ。

おすすめポイント

松元惠さんがナレーションとすべての登場人物を演じられておられますが、特にキツネの耳と尻尾を持つ妖狐・瞬太がとにかくカワイイです!
天野頌子先生が描く人情群像劇をぜひ朗読でお楽しみください。

ヴィクトリア朝怪奇冒険譚シリーズ

ヴィクトリア朝怪奇冒険譚シリーズ

どんな作品?

19世紀ヴィクトリア朝のイギリスを舞台に、貸本屋で働く帰還兵ニーダムと姪メープルが様々な怪奇事件に巻き込まれるシリーズ三部作。

おすすめポイント

年老いた主人公が、若い頃に体験した怪奇な事件を語るところから物語が始まります。老人として昔を思い出しながら語りだし、ストーリー展開に沿ってだんだんと声が若くなっていく『聴く本』ならではの演出をお楽しみください。

時代小説

半七捕物帳シリーズ

半七捕物帳シリーズ

どんな作品?

かつて江戸の岡っ引として数々の難事件・珍事件の探索に関わった半七老人が、新聞記者の「わたし」に語る手柄話や失敗談。近代日本における時代小説・探偵小説草創期の傑作。
kikubonでは55話までを全て無料で公開中。

おすすめポイント

江戸時代の文化や情景が細かく描写されており、朗読で江戸の町を想像しながら聴くことができました。第1話は今から100年以上前に描かれた作品とのことですが、まったくそれを感じさせない作品です。50話以上あるシリーズですので聴きごたえも抜群です!

服部半蔵 家康を天下人にした男

服部半蔵 家康を天下人にした男

どんな作品?

若き日の家康の前に現れたひとりの忍び。
天下取りを目指す徳川家康と服部半蔵の激闘や絆を、上下巻2冊にわたり描く時代小説。

おすすめポイント

原作のわかりやすい文章と描写に、朗読の演技の力も加わって、まるでドラマを観ているような感覚で楽しめます。桶狭間の闘いや一向一揆、二俣城の戦いなど、歴史に触れられるところもオススメです!

藪の中

藪の中

どんな作品?

藪の中で発生した殺人事件について、尋問された7人の証言からなる物語。証言はそれぞれ食い違い、真相が見えなくなっていく。

おすすめポイント

真犯人は誰なのか?というミステリー要素と、証人それぞれの思いが深い部分で描かれていて、真実とは何か、人間とは何かを考えさせられました。
そして、朗読の圧巻の演技にどんどん引き込まれます!

宮本武蔵

宮本武蔵

どんな作品?

「国民文学作家」とも言われる小説家・吉川英治による時代小説。
二天一流の開祖でもある剣豪・宮本武蔵の成長と、剣禅一如を目指す求道者・宮本武蔵を描いた物語。kikubonでは全7巻を全て無料で公開中。

おすすめポイント

朗読していただいている新居祐一さんの緩急がついたお芝居が素晴らしく、時代小説でありながら物語がするすると頭に入ってくる面白みが朗読で味わえます。かなり長い作品ではありますが、どんどん聴き進めることができると思います。

文学・青春

猪鹿蝶

猪鹿蝶

どんな作品?

推理小説やユーモア小説、ノンフィクションノベルなど多彩な作品を手掛け、博識と技巧的な文体で「多面体作家」「小説の魔術師」と呼ばれた久生十蘭による短編小説。

おすすめポイント

主人公の女性が、おそらくは電話で相手の女性におしゃべりをしている一人称形式のお話ですが・・・一方的におしゃべりをしているだけなのに情景が想像できるところや、読み手にいろいろと思わず推理させるストーリーテリングの手法がとても面白く、引き込まれます。また井田愛里紗さんの人物表現の巧みさも聴きどころです。ぜひ朗読で楽しんでいただきたい作品です。

『チーム』シリーズ

『チーム』シリーズ

どんな作品?

警察小説とスポーツ小説の両ジャンルを軸に活動する著者が描く長編駅伝シリーズ。
kikubonではシリーズ3作品を公開中。

おすすめポイント

作品により主役と舞台が変わるので面白く、でも前の作品の主要人物もしっかり関わっているのがまさに「チーム」だなと思います。
駅伝には特に興味が無かったのですが、この作品を聴いてからお正月の番組をつい見てしまうようになりました(笑)
元々スポーツ系の作品が好きな事もあり、『青春』や『仲間』を強く感じられる一作目が特に好きです。

最後に

以上、kikubon制作チームおすすめの14作品をご紹介しました。
kikubonではWebサイトの他に、XInstagramでオーディオブックの最新情報やオススメ作品のご紹介の発信も行っています。
無料で聴ける作品も500以上ありますので、ぜひチェックして、物語の世界や声優さんの演技に触れてみて下さいね。